撮影の基本

こんにちは!所沢PRサポーターズのデザイン担当・吉川です。
先日、所沢市産業振興課主催の講座で講義した内容をこちらでもシェアしますので、活用いただければ幸いです。

写真の加工ができるスマホやデジカメ、ソフトなどがありますが、加工を行うにはテクニックや手間がかかります。まずは写真自体で綺麗に撮影ができれば、自然な状態での写真の良さを生かして、さらに手間も省けます。勿論加工ができるに越したことはありませんが、慣れていないと手間と時間が掛かるので加工はその写真の良さを引き立たせる程度にとどめておくのも良いでしょう。

また、写真を綺麗に写すのであれば、自然光(太陽光)を利用するのが綺麗に撮影できます。

商品を置いて撮影するにあたり、商品を立たせて撮影する際はみなさん逆光や影の入り方などご存知の方も多いとおもいます。そこで今回は立たせるのが難しい商品を俯瞰(ふかん)で撮影した時のテクニックをお伝えします。

 

1. 被写体の明るさと影の使い方

写真を撮影する際に気をつけないといけないのが被写体の明るさです。

被写体が暗くなってしまうと、せっかく撮影した写真の雰囲気が伝わらないことがあります。明るいところで写真を撮ったはずが、写真で見た場合に暗くなってしまうこともよくあります。明るい場所であればあるほど、影が濃くなり、陰影が多くなるほど被写体に影が写り込むことで暗くなってしまいます。

とはいえ、影の存在もすごく大事で、影があることでより自然な雰囲気や立体感が生まれてきますので、上手に利用することで良い写真の撮影ができるようになります。

【影が入らないように注意すること】

  1. 影の大きさや影の方向に注意

  2. 影が邪魔にならないように撮影する方向に注意

  3. 影を上手く利用して被写体に立体感を出す。

  4. 自分の影が入らないように注意

*影をうまく使い、雰囲気を出すこともできる例もあります。

高級感のある商品や店内、ブランドのイメージを出すために影を多く使うこともありますが、技術や加工や必要になります。

こちらは、左横からの光源で影が右に写り込み、被写体に影が被ってしまっていますので被写体が暗くなってしまいます。

こちらは、光源は左横からと同じ条件にて被写体の向きを変えた写真です。影が右に写り込むことで、被写体が明るく写りますが、影の存在が気になってしまいます。

光源は左横からと同じ条件にて被写体の向きを更に変えた写真です。こちらは、影の存在が邪魔にならず、より自然に被写体が綺麗に写っています。

 

2. 光の反射を上手く利用する

光の反射を上手く利用することで、被写体の形(曲線や形状)を上手く表現できます。しかし、反射が強いと被写体のデザインの表現が上手くできなくなることがあります、そこで、自ら影を作ることで光の反射を少なくして、被写体のデザインを表現することができます。

大きめの画用紙や段ボールを利用して被写体の反射部分のみに影が入るように配置することで反射が軽減できます。

【反射に注意すること】

  1. 被写体の形状を表現したい時には反射は有効

  2. 反射を抑えることで被写体そのもののデザインは強調されますが、反射をなくすと平面的な写真になります。

  3. 料理などの撮影の場合は光が当たった方が自然な形で美味しく見せることができ、特に気にすることはありませんが、液体物の光の反射が強くなることがありますので、飲み物、鍋物、スープなどの撮影には有効ですが、全体に反射をなくすようにしてしまうと、かなり平面的な写真になってしまい、無機質なものになってしまいますので、注意が必要です。

こちらは、自然に光が被写体に反射した状態です。被写体の形状や自然な色味を表現できています。

こちらは、光の入る場所を、画用紙などを領して少し抑えた写真です。光の反射が少ない分、被写体のデザインなどの詳細がしっかり表現できます。

 

3. 被写体の配置

被写体の配置によっても出来上がった写真の雰囲気は変わります。
どのように見せたいのか?見た人にどのような印象を与えたいのかによって配置を工夫してみましょう

また、商品のラベルや見せたい面をしっかり正面になるように注意しましょう。

【直線的に並べる】

この場合は、被写体をしっかり見せたい。デザインや形、詳細の情報を伝えたい時に有効です。

【ランダムに並べる】

この場合は、被写体の雰囲気を、全体を通して印象づけたい時に有効です。可愛らしい、綺麗、スタイリッシュなどの印象を、付加価値をつけて印象付けられます。

被写体を直線的に配置することで、被写体の詳細がしっかりわかりますが、遊びがない分硬い感じにもなります。

こちらは、被写体の配置を遊ばせることで、被写体の持つイメージ(スマートさ、高級感、柔らかさ等)をうまく表現することができます。

 

4. 被写体の特徴を有効に伝える

被写体の持つ特徴をしっかり伝える撮影も有効です。

  • どのような機能があるのか

  • どのように使うのか?

  • 便利な機能や特徴を伝えられるような工夫

こちらは、被写体の詳細をより分かりやすく伝えた写真になります。

こちらは、被写体の持つ特徴や機能を分かりやすく伝えた写真になります。

 

5. 小物を利用して主役の被写体を引き立たせる

小物や周りの状況も撮影することで、被写体の使い方やシチュエーションを見る相手に印象付けることができます。主役の被写体はできるだけ中央に全体が写るようにした方が好ましいです。そのため、小物類も全体を写す必要はありません。あくまで主役は撮影したい被写体になるのですから。周りに使用する小物類は被写体に関連するものができるだけ好ましいです。

※撮影方法によってはキャラクターを添えてシリーズとしての印象をつける方法もありますが、キャラクターが主役になってしまわないように注意。

小物を使用することで被写体をワンランク上に見せることができます。撮影をしたい主役の被写体を中央に置くことが重要で、小物はあくまで主役をサポートする立場なので、小物全体を撮影する必要はありません。

今回は、物撮りでの説明を行いましたが、

  • 屋外撮影や店内撮影などでもどのような被写体を収めたいのか?

  • 光がどのようにきているのか? 

  • 影の写り込みはないか? 

    を注意してみても面白いかもしれません。

光や写り込みを配慮して、全体を撮るだけの考えだけではなく、見せたい部分、部分を撮影して、SNSでの発信の素材を多くしても良いかと思います。

 

いかがでしたでしょうか?商品撮影でお悩みの所沢の事業者様は、お気軽に所沢PRサポーターズまでご連絡くださいね。

 

↘↘ 問い合わせてみる ↙↙

 
 
TPRSさとし

プロダクトデザイン会社「furnish」を設立し、アクセサリーや生活雑貨を国内外で販売。家具ブランド「feelt」の共同経営や、東京工芸大学での講師を経て、東京・浅草でイタリアンワインバーを開業。その後、マレーシアで和食レストランの開業支援とシェフ業に携わる。現在は、加工食品ブランド「ハテナソース」を運営するかたわら、所沢PRサポーターズではグラフィックデザインや商品写真撮影を担当。

https://www.hatenasauce.com/
次へ
次へ

インスタグラム商品写真ワークショップ